坪単価がハウスメーカーごとに違う理由とは?

ハウスメーカーの見積もりではプラントと面積が同じでも、坪単価が違うことがよくあります。坪単価が違う理由はその算出方法にルールがないことが挙げられます。公共的な建築物とは異なり、民間の住宅では共通のルールがないのが現実です。ハウスメーカーを選ぶ場合はこのことを念頭に、正しい坪単価の見方を知ることが大切となります。
坪単価がハウスメーカーごとに違う理由は共通のルールがないこと以外に、競争原理が働くことが挙げられます。各社は顧客を奪い合うライバル関係にあります。そのため、少しでも安い価格を提示しようと努力し、面積当たりの建設費が異なることになります。坪単価の正しい評価には建築物の価格の出し方を知るのが近道です。
建築物の価格は細かな工事の積み上げ方式なのです。実際の建築工事は土工事やコンクリート工事、木工事やサッシ工事などのように種類の異なる専門の工事業者が行います。ハウスメーカーはそれを元受けとして取りまとめ、顧客に引き渡すのが仕事です。工事費は各種の専門工事を総計したものに、諸経費を加算して求められます。坪単価は総工事費が算出されたのちに、坪数で除して求められる結果にすぎません。
坪単価の違いにはハウスメーカーの技術力や経営力の差が原因していることがあります。材料を節約できる工法を開発した会社は住宅を安く提供でき、工夫により材料の調達コストを抑えることに成功した会社は価格を下げることができます。しかし、大手の会社には技術力や経営力で差ができることは少なく、価格の違いは他のことが原因していると考えられます。
住宅の価格の違いで大きな要素を占めるのが仕様の違いです。平面プランと面積が同じでも、材料の仕様により価格が異なります。構造的な工法の違いでも価格に差ができることが知られています。材料の違いや構造の違いは築年数が若いうちは目立ちません。スレート系の屋根材と瓦葺きの違いが明確化するのは完成後10年以上過ぎてからです。構造の違いも築年数が若いうちは気づきません。
すなわち、坪単価の違いはグレードの違いと言っても良いものです。坪あたりの価格が低い住宅は高い住宅と比べて耐久性が低くなります。製造費用の安価な2×4工法は高価な在来工法と比較して長持ちしないことが多くあります。ハウスメーカーにより坪単価が違う場合は、グレードや性能も異なると考えられます。選ぶ場合はそのことを知った上で、間違いのない選択が必要です。